学生インタビューでは、学生の皆さんが日々を過ごす中で感じる楽しさやこだわり、今までの経験から持つ視点等をご紹介します。
今回は、大切なことは“あきらめないこと”だと語る、新潟県立大学清野桃子(せいの ももこ)さんにインタビューしました!
清野さんは、外国人の方に日本語学習サービスを提供する「IROHA(イロハ)」を設立しました。
※現在IROHAのサービスは終了しています。
今回、IROHAが作られたきっかけや、清野さんを突き動かすものは何か知りたいと思い、インタビューさせていただきました。
この記事は前半と後半に分かれています。この記事では【IROHA】のことにフォーカスし、後半の記事では【清野さんの留学】について詳しく書いていきます!お楽しみに😆
留学の経験から気がついたこととは?
まず、大学名と学部、学年、名前を教えてください。
新潟県立大学の国際地域学部の清野桃子です。
私と同い年の人たちはみんな本当は3年生なのですが、私は1年が終わってからずっと休学しているのでまだ2年生なのかな。
ありがとうございます、よろしくお願いします!
初めに、清野さんがしている活動について教えてください。
私は今、「IROHA」という日本語会話サービスを作っています。
日本語学習をしている外国人の方がオンライン上で、かつ1対1で日本人と会話ができるサービスを作っています。
IROHAを立ち上げたきっかけはなんですか?
WILLFU STARTUP ACADEMYって聞いたことありますか?
その学校は、学生が起業を勉強するために通う学校で、座学で勉強するというよりも、実際に事業の立ち上げを自分で行いながら起業について学んでいく場所です。そこで起業について学んでいて、自分がどんな分野で起業できるかなと考えていました。
私は高校生の時、1度アメリカに行き、大学に入ってからも1度オーストラリアに行っていました。そのような中で日本語を勉強している方と出会う機会が多くて、日本語学習者の方を支援できるサービスがオンライン上であればいいなと思って作りました。
そうなんですね!
日本語学習者の外国の方たちを支援したいと思ったきっかけはなんですか?
私が留学を通して会ってきた日本語学習者の外国人の人たちは、どっちかっていうと日本語上級者の人が多かったです。その人たちに共通していたのが、文法や単語はそこまで詳しい知識があるわけでは無いのだけれど、たくさん日本人の友達と話すなどをで自分から日本語を使いに行って話せるようになった人達が大半だと気付きました。
そして現在、日本語を勉強し始めている人たちがそういう勉強の仕方をすればもっと早く日本語を楽しんで話すことができるようになるんじゃないかなと思ったのがきっかけです。
“日本語学習ですごく困っている人がいたから”という理由だと推測していましたが、清野さんの周りにいた日本語学習者の方たちが日本人と話して日本語が上手になっていることに清野さんが気付いたという背景があったからなんですね。
そうですね。
IROHAの仕組みとしてはどれくらいの人が関わっているのですか?
初期のメンバーは私とミャンマー人の留学生の子でした。現在はエンジニアの子と帰国子女の英語堪能な男の子1人と日本語教育に精通している女の子がいて、私を含めて4人のメンバーがいます。
起業してよかったと思う点は?
活動をしてどんなことがやりがいだったり嬉しかったりしますか?
現在はIROHAのサービスを検証している段階なのですが、外国人の方たちが私たちのサービスを実際に買って使ってもらえた時は嬉しいです。
外国人の方から感想などは直接聞くことができるのですか?
そうですね。
なかなか自分の日本語力が足りなくて日本人と話す機会が今までなかったと感じていた方たちが「日本人と話せるから嬉しい」と感じているという声は聞きます。
やっぱりそのような声を聞くと嬉しいですか?
何も分からない状態から作っているので、そういうものが誰かの嬉しいという気持ちに繋がったのなら私も嬉しいです。
どのような点において起業をして良かったと思いますか?
それがなければ経験できないことを経験できているというところです。
もちろん、サービスを使ってもらえたり、役立っていると感じたりしてすごく嬉しいと感じます。でもそれだけではなくて、人のマネジメントスキルや一から商品やサービスを作るという過程を勉強できたり、起業って何なのかというところを体系的に学べたりできている点で、IROHAを立ち上げて良かったと感じています。
ニーズの把握は必要不可欠。それに伴う困難とは?
なるほど。では逆に困難はありましたか?
やりがいよりも困難の方が多いです。
そうですよね、、。
起業って何から始めたらいいんだというところがあると思うのですが、1番初めにやらないといけないことは顧客のニーズを把握することです。そこを把握していないと顧客に寄り添ったサービスを提供できないので買ってすらもらえません。外国人の方が日本語を勉強する上で困っていることをちゃんと把握することが難しかったです。
あと、すべてオンラインでやっているのでホームページをまず立ち上げないといけなかったのですが、このホームページを私は作れなかったので作ることができる人を見つけるという所や
IROHAのチーム内でうまくチームが回らなかった際にチームをマネジメントするという点も難しかったです。人のできる・できないは異なるので自分が(この人なら)できるでしょと思って相手にまかせても、相手にとってはキャパオーバーというようなこともありえます。その人の裁量に合わせて仕事を振らないといけないというところが難しいなと思います。
どのようにニーズを把握しましたか?
サービスを買ってくれた方や行政の方に聞くしかないですね。普通に生活していて外国人と会う機会ってすれ違う位だけで接点を持つのって難しいです。
ですので、既存のお客さんに対してはGoogleフォームでアンケートを送り、埋めてくれませんかと頼んだり、行政の方に連絡したりしています。
外国人の方達と接点を持つのが難しいので行政に力をかりている、という感じですか?
行政の方々が外国人の方たちから相談をうけていると思うんですね。どういう相談が多いのか、どこの国の人たちが多く住んでいるのか、このような情報を持っているのが行政の方達なのでそのような人達に聞いています。
なるほど!
では、過去とは対照的に現在の大変な事は何ですか?
今まさに売り上げを出すために、ニーズの把握みたいなところをもう一度練り直しています。どこをターゲットにするかということを明確にしないと、サービスも明確になりません。ニーズを把握するというところはやはり難しいところです。
起業においてニーズを把握することは本当に大切なのですね。
一人でもそのサービスを使ってくれる人がいるなら。
活動をしている上で清野さんが大切にしていることはありますか?
大切にしている事はあきらめないことです。
やはりこのようなことをする中で難しいことの方が多いし、ビジネスに関する事は素人だったからつまずくことも結構ありました。
自分の時間が本当になくなって、友達と遊びませんでした。友達とご飯行っている暇があるんだったら事業を進めたいという気持ちがあったからです。私が事業に対する気持ちがあったからできたということもあったのですが、やっぱり遊びたいってたまに思います。
そういうなかでお客さんがあまりついてこなかったり、わからないことがあったりしても、それを理由にしてやめないことは大事なのかなと思います。
“あきらめない”という気持ちの根源にある清野さんの考え方はありますか?
もともと性格はすごく負けず嫌いです。
1人でもそのサービスを使ってくれる人がいる事は、そのサービスが別に需要がないというわけじゃないととらえています。
「自分が作ったサービスをそんなに簡単に捨てたくない」、「最後まで完成させたい」という思いが強いのだと思います。
人って、自分を支持する少数の人よりそうではない人に注目してしまうことがあると思うんです。でも清野さんはIROHAを使ってくれている人のことを優先して考えているんですね。
どこに価値を置くかは人それぞれ
行動することの素晴らしさについて考えている事はありますか?
この質問はちょっと「ん?」って思いました。
なるほど。
人それぞれの価値観で行動することがいいことかどうかって変わってくると思います。
私自身のことを言ってしまえば、この人と同じことをするのが嫌いで、常に自分にしかできないことやオリジナルのようなことが好きだからいっぱい行動していろんなことをやっています。でも、別にそうじゃない人もいると思います。「平凡に生活できればそれでいい」そこに価値を置いている人もいるから行動することがすばらしいというこの文章自体はあまりしっくりこなかったです。
そうですね。行動することだけが素晴らしいことじゃないですよね!
はい、それが当てはまる人もいれば、そうではない人もいると考えています。
これからIROHAをどうしていきたいか
これからの事やどうなりたいというイメージはありますか?
このサービスを使ってくれる人をもっと増やすというのがまず1番の目標です。
売り上げが伸びてきたら法人化ということも考えています。将来的には「日本語学習と言えばIROHAだよね」というふうになってもらえたら嬉しいです。
後半の記事では、清野さんの留学経験についてお話を伺いました!
留学先でも挑戦をつづけた清野さん。清野さんのことをより知ることができる内容となっております!
※記載の大学名・学部学年は取材時点のものです。
編集後記
清野さんはあきらめないことを大切にしているとおっしゃっていました。そのシンプルでまっすぐな言葉に清野さんの強い気持ちを感じました。
IROHAという事業への思いもひしひしと感じるインタビューでした。
率直に言うと、私も清野さんのように打ち込む何かがほしい、何かに打ち込みたいと感じました。
清野さんがおっしゃっていた、人それぞれの価値観をちゃんと認識してこれから記事を書いていきます!